フッ素ゴムとは

- フッ素ゴム -

現在市販されている代表的なフッ素ゴムは、フッ化ビニリデン系(FKM)であり市場全体のおおよそ8割強を占めているため、一般的にFKMと総称されます。
フッ素ゴムは、その優れた耐熱性、耐油性、耐薬品性により、過酷な環境にも耐えるゴムとして自動車を中心に化学プラント、半導体製造機、産業機器類などと幅広く用いられています。
これはポリマー内のC-F結合に由来するもので、ほかの汎用ゴムでは老化防止剤を配合して耐熱性を高めるのに対し、フッ素ゴムはこれらを必要としません。
このように配合に用いる薬品類を少なくできるので、抽出物が少なく、汚染を嫌う用途にも用いることができます。

 

長所

  • 卓越した、耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐水性を持ち合わせる
  • 配合に用いる薬品類を少なくできる為、抽出物が少なく、汚染を嫌う用途にも用いることが可能。

短所

  • ガラス転移温度が高いため、耐寒性はよくない。
  • 様々な薬品や油に耐性があるが、強アルカリ性への耐性、ケトン・エステル系の溶剤への耐性は弱い。
  • ポリマー自体の価格が高いことに加え、比重が大きい分加工コストも上がり、高コストとなりやすい。

- 使用用途 -

高価なゴムですが様々な面において高い耐久性を有するため、過酷な環境で使用される場合が多いです。
そのため、高温かつ耐油性が求められる自動車部品や、耐薬品性をいかした化学分野、医療分野での利用が特徴的です。
その他にも、半導体製造装置や航空、宇宙分野にも活用可能です。

・化学工場の耐食パッキン

・燃料ホース

・Oリング

・エンジン

・耐熱耐薬品用シール部品

・半導体製造装置部品

・化学プラント用メカニカルシール

・ジェットエンジンのシールやパッキンなど